
「また、くだらないことで言い争ってしまった…」
中学受験を控えた子供の前で、ママと口論になり、後で自己嫌悪に陥る。
子供のためにと真剣になればなるほど、夫婦の意見はすれ違い、気づけば険悪なムードに。
まさに「中学受験 あるある」ですが、笑いごとではありませんよね。



子供の不安そうな顔を見るたびに、胸が張り裂けそうでした。
「夫婦喧嘩は子供の成績を下げる」――。
これは、脅しでも何でもなく、僕が嫌というほど実感した事実です。
この記事では、なぜ夫婦喧嘩がダメなのかという科学的な根拠から、かつての僕らがそうだったように、今まさに悩みの渦中にいるご夫婦が、どうすればこの嵐を乗り越え、家族一丸となって受験に挑めるのか、僕自身の失敗談も交えながら、その具体的な方法を全力でお伝えします。
中学受験をする子供の親が夫婦喧嘩すると、子供の成績が落ちます。


この記事を書くにあたり、様々な研究を調べましたが、福井大学とハーバード大学の共同研究の結果を知った時、背筋が凍る思いになりました。
日常的に激しい夫婦喧嘩を見てきた子供は、脳の視覚野の一部が萎縮する
とのこと。(参考:NHK-クローズアップ現代 夫婦喧嘩で子供の脳が危ない!)
あなたが子供の頃、親が喧嘩する姿を見てとても悲しくなった経験はありませんか?
同じように、あなたの子供も心や脳に傷を負ってしまっています。
僕も息子たちの前で妻と口論してしまった後、彼らの不安そうな顔を見ては「なんてことをしてしまったんだ」と何度も後悔しました。



あの時の小さな背中を思い出すと、今でも胸がズキンと痛みます。



親の喧嘩が、あの子たちの脳を物理的に傷つけていたのかもしれない…。
そう思うと、本当に恐ろしくなります。
夫婦喧嘩で子供の脳が傷つく
さらに衝撃的なのは、身体的な暴力よりも、親が怒鳴り合う「言葉の暴力」に接してきた子供の方が、脳の異常の割合が圧倒的に高かったという事実です。
夫婦間の身体的暴力と、言葉の暴力に接してきた子供を対象に、脳をMRIで調べたところ、身体的な暴力を見てきた子供は萎縮率が3.2%だったのに対して、言葉の暴力は19.8%も脳に異常が見られたそうです。



脳の海馬や扁桃体が異常をきたし、視覚野の一部も萎縮したとの結果が出ています。
これは、記憶力や学習能力の低下につながってしまいます。
暴言だけでなく、お互いを無視する「冷戦状態」も、子供に強いストレスを与え、脳の萎縮を引き起こすとのこと。
良かれと思って始めた中学受験で、我が子の脳を傷つけ、記憶力や学習能力を奪っていたとしたら…?



これほど悲しいことはありません。
夫婦喧嘩が子供の脳に与える影響
夫婦喧嘩は子供の脳の海馬や扁桃体、視覚野に影響を与えるとお話ししました。
具体的にどんな影響があるのか、細かく見てみると…
- 海馬は主に記憶に関わります。
- 扁桃体は感情を司ります。
- 視覚野は名前の通り視覚に関わりますが、視覚を通して記憶をすることにも重要です。
夫婦喧嘩の影響で、これらの脳の器官の活性度合いが変わり、成績に関わってしまいます。
すなわち、楽しくワクワクしながら勉強ができれば脳の色々な部位の連携が活性化して、学習能力が向上するんです!
しかし、イヤイヤ勉強していたり強いストレスを混じると、脳が萎縮してしまい、記憶や知識が定着してくれません。
夫婦喧嘩を見続けていると、脳の萎縮だけでなく、相手の感情や自分の感情をうまく読み取ったり、コントロールすることができなくなってしまいます!
夫婦喧嘩が受験科目に与える影響
相手の感情を読んだり、自分の感情を表現することができないと、特に「国語」の成績に影響します。
テストには必ず文章題が出ますが、自分で文章が書けなくなってしまうんです。
さらに、記憶や知識が定着しないと、国語の漢字とかだけでなく、理科や社会の知識をつけることも大変になってしまいます。
問題を読んでも、そもそも何を質問されているのか理解することができなくなってしまうかも知れません。
これを聞いても夫婦喧嘩しますか?
喧嘩をしたいと思ってしているわけではありませんよね。
でも、喧嘩になりそうなら、ならないようにする手立てはあるのでしょうか?。
次に、夫婦喧嘩を防ぐ方法を書いていきます。
夫婦喧嘩が起きるきっかけを知る事で、自分のイライラに気づき、クールダウンできるはずです。
夫婦喧嘩になるきっかけ


夫婦喧嘩になるきっかけを、ざっと挙げてみると
- 子供の成績が悪い事をお互いのせいにする
- 夫が無関心
- お金のこと
- 子供のしつけのこと
- 妻への思いやりがない
- 子供への思いやりがない
- 夫の問題行動
- マウンティングをとる
- 無関心
- 子供にガミガミ言う、説教する
- 家事を手伝わない
- ギャンブル
- 仕事しすぎ
- 帰宅が遅い
- 金遣い
などなど



夫婦の間できちんと話し合わないと、温度差が生まれて100%喧嘩します。
なぜ夫婦喧嘩は起きるのか?僕がハマった「父親の落とし穴」
では、なぜ中学受験期に夫婦喧嘩は増えるのでしょうか?
きっかけは「成績」「お金」「しつけ」など様々ですが、僕自身の経験を振り返ると、その根底には男女の考え方のズレと、父親である僕自身の問題行動がありました。



当時の僕は、仕事の延長線上で受験を捉えていました。
「目標(志望校)のために、課題(成績)をどうクリアするか」という視点です。
だから、つい息子に「なんでできないんだ!」と結果を問い詰めたり、妻のやり方に「非効率だ」と口を出したりしてしまいました。
良かれと思っての言動が、完全にマウンティングであり、ただの説教になっていたのです。
一方、妻は子供の「今」の気持ちに寄り添います。
「今日は疲れているみたい」「あの子はこういうやり方の方が合っている」と。
僕にはそれが甘えに見え、「そんなんじゃダメだ!」と正論をぶつけてしまう。
妻からすれば



「この人は子供の気持ちが分かっていない。無関心なくせに口だけ出す」
となり、衝突は避けられませんでした。
父親のやるべきことは?関連記事「中学受験【父親の役割とやるべきこと】NGな関わり方と合格を勝ち取るサポート術」もご参照ください。


受験は、家族全員で乗り切ろう
「男は論理、女は感情」と単純化するつもりはありません。
しかし、この「ズレ」があることを理解せず、自分の「正しさ」だけをぶつけ合えば、関係は悪化する一方です。
かつての僕のように、良かれと思って家族を追い詰めていませんか?



胸に手を当てて、一度考えてみてほしいのです。
大切なのは、どちらが正しいかではなく、どうすれば家族チームとして協力できるか、でした。
僕がそれに気づくまで、ずいぶん長い時間がかかってしまいました。
嵐を乗り越えるために。我が家で実践した3つの対策


では、どうすれば夫婦喧嘩を避け、家族で協力体制を築けるのでしょうか。



理屈では分かっていても、実行は難しいものです。
ここでは、試行錯誤の末に我が家で効果があった、具体的な対策を3つご紹介します。
1.「受験は誰のためか」夫婦で原点に戻る
口論が絶えなかった頃、僕は気づきました。
「これは本当に息子のためか?俺自身の学歴コンプレックスや見栄のためになっていないか?」と。
妻もまた、「あの子の将来のために」という思いが強すぎるあまり、子供の今の笑顔を奪っていないか、と。
一度立ち止まり、「この受験は、子供の人生を豊かにするための選択肢の一つに過ぎない」という原点に立ち返ること。
親のエゴを自覚するだけで、相手への要求のトーンは自然と和らぎました。
2.週に一度の「作戦会議」を強制的に開く



「あとで話そう」は、永遠にやってきません。
そこで我が家では、毎週土曜の夜、子供が寝た後に「中学受験 作戦会議」と称して、夫婦で話す時間を設けました。
ルールは2つだけ。
① 相手の話を絶対に否定しない。最後まで聞く
② 感情的になったら5分休憩
お茶でも飲みながら、今週の子供の様子、勉強の進捗、お互いが感じている不安などを淡々と共有します。
この「ガス抜き」の時間が、突発的な爆発を防ぐ、何よりの安全装置になりました。
3.結論は「子供の言葉」の中に探す
最終的に道を決めるのは、親ではありません。
ある日、意見がぶつかる僕ら夫婦を見かねたのか、息子が言いました。
「ケンカしないで。僕、〇〇中学に行きたいから、頑張るから」と。



ハッとさせられました。
僕らはいつの間にか、主役である子供を置き去りにしていたのです。
親の意見を伝えることは大切ですが、最後は子供自身に「どうしたい?」と問いかけ、その言葉を信じる覚悟を持つ。
夫婦が同じ方向を向き、子供の言葉に耳を傾けた時、我が家は初めて本当の「チーム」になれた気がします。
まとめ〜喧嘩の嵐を乗り越えた先に、家族のかけがえのない宝物がある〜


中学受験期の夫婦喧嘩は、避けて通るのが難しい道かもしれません。
しかし、その嵐が子供の心と未来に、取り返しのつかない傷を残す可能性があることを、どうか忘れないでください。
父親だけが、母親だけが頑張るものではありません。
お互いの違いを認め、不完全さを許し合い、子供という同じ目標を見つめること。
正直に言って、我が家の中学受験は、喧嘩の連続で、決してスマートなものではありませんでした。
でも、何度もぶつかり、話し合い、涙を流しながらも家族で一丸となって乗り越えたあの期間は、息子たちを成長させただけでなく、僕ら夫婦の絆をも深めてくれた、かけがえのない宝物だと思っています。
この記事が、かつての僕と同じように悩み、暗いトンネルの中にいるご家族にとって、一筋の光となれば、これほど嬉しいことはありません。



あなたの家族が「最高のチーム」になれることを、心から応援しています。
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