子どもの一生を左右するかもしれない中学受験。
その戦いの主役が子どもであることは言うまでもありません。
そして、その一番の伴走者として、母親が食事の管理からスケジュール調整、精神的なサポートまで、一手に引き受けているご家庭が多いのではないでしょうか。

その一方で、父親であるあなたは、どこか「お客様」になっていませんか?
「仕事が忙しいから」「勉強のことは妻に任せているから」
そう言って、中学受験の輪から一歩引いてしまってはいないでしょうか。
しかし、断言します。
父親の的確なサポートは、子どもの中学受験の合否を左右するほど、重要です。
母親とは違う視点、父親だからこそできる関わり方が、子どもを精神的に安定させ、学力を伸ばし、そして家族一丸となって合格を勝ち取るための大きな力となります。
この記事では、中学受験において父親が「何を」「どのように」すべきなのか、そして「何をしてはいけないのか」を、具体的なアクションプランと共に徹底的に解説します。
- 中学受験における父親の「本当の役割」がわかる
- 明日から実践できる「やるべきことリスト」が手に入る
- 子どものやる気を削いでしまう「NGな関わり方」を避けられる
- 夫婦で協力し、最高の形で子どもをサポートする方法が見つかる
この記事を読み終える頃には、あなたは「お客様」から、子どもの合格を力強く牽引する「最高の戦略パートナー」へと変わっているはずです。
もはや中学受験の定番本!一家に一冊は欲しいですね。
中学受験で父親に求められる「5つの役割」とは?


まず、中学受験において父親に求められる役割は、単に勉強を教えるだけではありません。
以下の「5つの役割」を理解し、バランスよく実行することが成功への鍵となります。
1.母親の最大の理解者であり、精神的支柱となる
中学受験において、最も大きなプレッシャーにさらされているのは、子ども本人と、そして母親です。
特に母親は、日々の学習管理、塾との連携、子どものメンタルケアなど、膨大なタスクを抱え込みがちです。
そんな母親の愚痴を聞き、不安を受け止め、感謝の言葉をかけること。
これこそが、父親が真っ先に果たすべき最も重要な役割です。



母親の精神が安定すれば、家庭の雰囲気は明るくなり、それは必ず子どもに良い影響を与えます。
2.子どもの「学習参謀」として伴走する
もちろん、学習面でのサポートも重要です。
しかし、それは必ずしも全教科を教えるということではありません。
- 得意科目を教える:算数や理科など、父親が得意な科目を担当する。
- 学習計画の管理:塾の宿題やテスト範囲を把握し、進捗を管理する。
- 客観的な分析:模試の結果を冷静に分析し、弱点や課題を見つけ出す。
母親が日々のタスクに追われる中で見落としがちな、少し引いた視点からの客観的な分析と戦略立案こそ、父親の腕の見せ所です。
3.家庭全体の「ムードメーカー」になる
受験勉強が続くと、家庭の空気はどうしても重くなりがちです。
そんな時こそ、父親の出番です。
- 意識的に明るい話題を振る
- 勉強以外の会話で、子どもの視野を広げる
- 週末には思いっきり遊んで、リフレッシュさせる
父親の存在が、家庭をピリピリした「受験一色の空間」から、安心できる「いつもの我が家」に戻してくれます。



この精神的な緩急が、子どもを最後まで走り抜けさせるエネルギー源となるのです。
4.社会とつながる「情報収集の司令塔」になる
志望校選びは、子どもの将来を左右する重要な決断です。
偏差値だけで判断するのではなく、その学校が持つ校風や教育理念、大学進学実績、卒業生の活躍など、多角的な情報を集める必要があります。
- 学校説明会や文化祭への参加:実際に学校へ足を運び、自分の目で雰囲気を感じる。
- Webサイトや卒業生の評判をリサーチする:ネットや人脈を駆使して、リアルな情報を集める。
- 社会で働く大人の視点からアドバイスする:「この学校で学んだことは、将来こんな風に役立つかもしれない」と、子どもの未来と学校を結びつけてあげる。
社会との接点が多い父親ならではの視点で情報を集め、選択肢を提示してあげましょう。
5.家族を支える「経済的基盤」を担う
言うまでもなく、中学受験には多額の費用がかかります。



塾の費用だけでも、3年間で200万~300万円以上かかると言われています。(※文部科学省 令和5年度子供の学習費調査より)
この経済的な負担を安定して支えることは、父親の重要な役割です。
お金の話を過度に子どもにする必要はありませんが、「お父さんがしっかり稼いでいるから、安心して勉強に集中しなさい」という無言のメッセージと安心感を、家族に与えてください。
「日々、努力を続けるわが子に、どんな言葉をかけてやれば良いのだろう?」。
中学受験生の親たちの、そんな悩みに応える一冊です。
【明日から実践!】中学受験で父親がやるべきことリスト10


では、具体的に父親は何をすればいいのでしょうか?
明日からすぐに実践できる「やるべきこと」を10個のリストにまとめました。
- 妻の話を毎日15分、ただ聞く時間を作る(評価やアドバイスは不要)
- 週末のどちらか半日は、子どもを勉強から完全に解放し、一緒に全力で遊ぶ
- 志望校の過去問(特に算数や理科)を一度自分で解いてみる
- 塾の保護者会や面談には、夫婦揃って参加する
- 子どもの勉強机の周りをチェックし、整理整頓や学習環境の整備を手伝う
- 送り迎えを週に一度でも担当し、車中での何気ない会話を大切にする
- 夜食や軽食を作り、「頑張ってるな」と声をかける
- 模試の結果に一喜一憂せず、間違えた問題の「解き直しノート」作りを手伝う
- 月に一度、家族会議を開き、勉強の進捗、志望校、悩みなどを共有する
- 「ありがとう」「すごいね」「助かるよ」という言葉を意識的に口にする
中学受験は親がする訳ではありませんが、子供へのサポートは必須です。



生かすも殺すも親次第です。
絶対にやってはいけない!父親のNGな関わり方5選


良かれと思ってやったことが、実は子どものやる気を削ぎ、夫婦関係を悪化させる原因になることも少なくありません。
以下に挙げるNGな関わり方は絶対に避けましょう。
感情的に怒鳴る・高圧的な態度をとる
「なんでこんな問題もできないんだ!」 「何度言ったらわかるんだ!」
これは最悪の関わり方です。



僕も何度言ってしまったことか…。



恐怖で子どもを支配しても、学力は決して伸びません。
父親への萎縮は、子どもの思考力を停止させ、チャレンジする意欲を奪います。
母親や塾にすべてを丸投げする
「勉強のことはママに聞いて」「塾の先生が言っているんだから、その通りにやれ」
これは、父親が中学受験というプロジェクトから離脱していることを意味します。
無関心は、子どもにとって「自分は期待されていない」というメッセージとして伝わってしまいます。
他の子どもと比較する
「〇〇君は、もう次の単元に進んでいるらしいぞ」
他人との比較は、子どもの自己肯定感を著しく低下させます。
比べるべきは、他人ではなく「過去の本人」です。
昨日より一問でも多く解けたこと、分からなかった問題が分かるようになった成長を褒めてあげましょう。



でも僕は、逆にライバル心をあおられた方が燃えたので、本人の性格にもよるかなと思います。
…でも、言っちゃいけないんですよね。
自分の成功体験を押し付ける
「お父さんの時代は、もっとこうやって勉強したもんだ」
時代も違えば、子どもの個性も違います。
父親の古い成功体験は、現在の受験戦略において有効でないばかりか、子どもの混乱を招くだけです。



まずは、塾の方針や今のやり方を尊重しましょう。
夫婦で意見が食い違い、子どもの前で喧嘩する
教育方針や志望校について、夫婦の意見が異なることは当然あります。
しかし、それを子どもの前で言い争うのは絶対にNGです。
子どもは誰の言うことを信じていいのか分からなくなり、最大の安全基地であるはずの家庭で、深刻なストレスを抱えることになります。
意見交換は、必ず子どものいない場所で行いましょう。
夫婦げんかについては、関連記事「中学受験をする子供の親が夫婦喧嘩すると、子供の成績が落ちます。」もご参照ください!


父親のサポートで中学受験を成功に導く3つの極意





最後に、父親のサポートを成功に導くための3つの極意をお伝えします。
「報・連・相」を徹底し、家庭内での方針を統一する
中学受験は情報戦です。
塾での子どもの様子、模試の結果、志望校の最新情報などを夫婦で密に共有しましょう。
LINEグループを作るなどして、些細なことでも報告・連絡・相談しあう体制を築くことが重要です。
方針が統一されていれば、子どもは混乱することなく、安心して勉強に集中できます。
子どもの一番の「ファン」であり、「安全基地」でいる
成績が上がらない時、友達との関係に悩んだ時、子どもは不安になります。
そんな時、「お父さんは、どんな結果になってもお前の味方だからな」と、無条件の愛情を伝えてあげてください。
父親という絶対的な安全基地があるという確信が、子どもに困難に立ち向かう勇気を与えます。
「木」ではなく「森」を見る。長期的な視点で子どもの成長を見守る
模試の点数や偏差値という「木」ばかりを見ていると、親子共に疲弊してしまいます。
中学受験は、子どもの長い人生における、ほんの一つの通過点に過ぎません。
この経験を通して、子どもが何を学び、どう成長していくのかという「森」を見る視点を持ちましょう。
たとえ望む結果が得られなかったとしても、家族で一丸となって挑戦した経験は、子どもの人生にとってかけがえのない財産となるはずです。
まとめ:父親の最高の関わり方が、子どもの未来を拓く


中学受験において、父親は決して「お客様」ではありません。
母親を支え、子どもを導き、家庭の雰囲気を創る、かけがえのない「戦略パートナー」です。
今回ご紹介した「やるべきことリスト」を実践し、「NGな関わり方」を避けることで、あなたのサポートは、子どもの合格可能性を飛躍的に高めるでしょう。
何よりも大切なのは、子どもへの愛情と、家族で乗り越えるという強い意志です。
父親であるあなたの最高の関わり方が、子どもの輝かしい未来の扉を開くことを、心から願っています。
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