【薬剤師が解説】 夏のむくみ、サヨナラ!驚きのあずき茶パワー

夏の夕方、クーラーが効いた部屋にいるはずなのに、なぜか足はパンパン。

靴がきつく感じ、指で押すと跡が戻らない…。

そんな経験、ありませんか?

あの、言葉にならないイヤ〜な重だるさ。

実は、夏の「むくみ」は、多くの方が抱える深刻な悩みなんです。

筆者紹介
調剤薬局で薬剤師として働いています。
働き始めて、気づけばもう20年以上。
毎日、カウンター越しにたくさんの方の健康のお悩みと向き合っています。

そんな私が今日、お薬の話ではなく、もっと身近な「飲む」セルフケアとして、声を大にしておすすめしたいもの。

それが、「あずき茶」です。

「え、あずき?おしるこの?それがお茶に?」と驚かれるかもしれませんね。

薬剤師という立場で様々な情報を調べる中で、この「あずき茶」の持つ驚きのパワーにたどり着きました。

なぜ今、私が夏のむくみ対策にあずき茶を注目するのか。

その秘密を、専門家の視点から、そして同じ悩みを持つ仲間として、余すところなくお伝えしていきますね!

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目次

驚きのパワーの正体は?あずきに秘められた3つの嬉しい栄養素

「あずきがおしるこや和菓子だけじゃないなんて…!」

そう、あずきはただ美味しいだけじゃなく、私たちの体を内側からサポートしてくれる、まさに「赤い宝石」のようなスーパーフード

特に、女性が喜ぶ嬉しい栄養素がギュッと詰まっているんです。

①【カリウム】体内の水分バランスを整える、頼れるミネラル

まず、むくみ対策のエースとしてご紹介したいのが「カリウム」です。

私たちの体は、約60%が水分でできています。

この体内の水分バランスを絶妙にコントロールしているのが、「ナトリウム」と「カリウム」という2つのミネラル

  • ナトリウム(塩分):細胞の外の水分を保つ働き
  • カリウム:細胞の中の水分を保つ働き

塩辛いものを食べ過ぎると、体がパンパンになる感じがしますよね?

あれは、血中のナトリウム濃度が上がり、それを薄めようと体が水分を溜め込んでしまうから

ここでヒーローのように登場するのがカリウムです!

カリウムには、余分なナトリウムを汗や尿として体の外に排出してくれる働きがあるんです。(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」

あずきには、このカリウムが驚くほど豊富に含まれています。

▼身近な食品とのカリウム含有量比較(可食部100gあたり)

食品名カリウム含有量 
乾燥あずき 1,500mg
ほうれん草(ゆで)490mg 
バナナ(生)360mg
きゅうり(生)200mg
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成

表を見てわかる通り、あずきは野菜や果物と比べても圧倒的なカリウム含有量を誇ります

このカリウムが水に溶け出しやすい性質を持っているため、「あずき茶」として飲むことは、非常に効率的なカリウム補給法と言えるんですね。

②【サポニン】健やかな巡りを応援!サラサラな毎日へ

次にご紹介したいのが「サポニン」

聞き慣れない名前かもしれませんが、植物の根や葉、茎に含まれる成分で、朝鮮人参などに含まれることでも有名です。

あずきの皮に特に多く含まれるこのサポニンには、私たちの体の「巡り」をサポートしてくれる、嬉しい働きがあります。

私たちの体の中では、増えすぎた活性酸素が原因で、血液中の脂質が酸化し、「過酸化脂質」という、いわば “ 体のサビ ” のようなものが作られてしまうことがあります。

サポニンは、この過酸化脂質の生成を抑える働きが報告されており、健やかでサラサラな毎日を応援してくれるんです。(参照:J-STAGE あずきの機能性に関する研究動向

体の隅々までスムーズな流れをサポートしてくれるなんて、想像しただけでもなんだか体が軽くなる気がしませんか?

③【ポリフェノール】夏の太陽に負けない!美容が気になる方の味方

そして3つ目が、美容に敏感な方なら誰もが知っている「ポリフェノール」です。

赤ワインやカカオで有名ですが、実はあずきもポリフェノールの宝庫!

その含有量は、なんと赤ワインの1.5倍~2倍とも言われています。

ポリフェノールの最も嬉しい働きは、その強力な「抗酸化作用」。

私たちは呼吸するだけで体内に活性酸素を取り込んでいますが、夏の強い紫外線やストレスは、この活性酸素を過剰に発生させる原因になります。

増えすぎた活性酸素は、細胞を傷つけ、シミやシワ、たるみといった肌の老化や、様々な生活習慣病の原因にも…。

あずきに含まれるポリフェノール(カテキン、ルチンなど)は、この活性酸素から私たちの体を守り、若々しさを保つ手助けをしてくれます。

夏の強い日差しを浴びた日の夜に、温かいあずき茶を一杯。

それは、体へのご褒美であり、未来の自分への投資でもあるんです。

正直、味はどうなの?毎日飲みたくなる「香ばしい美味しさ」の秘密

「栄養がすごいのはわかったけど、結局、豆の煮汁でしょ?美味しいの?」

…わかります!その気持ち、よーくわかります(笑)。

私も最初はそう思っていました。

でも、騙されたと思って一度飲んでみてください。

自家製のあずき茶は、驚くほど香ばしくて、スッキリとした味わいなんです。

豆のえぐみや雑味はまったくなく、後味はまるで上質なほうじ茶のよう。

砂糖も何も入っていないのに、ほのかな甘みさえ感じられます。

この美味しさの秘密は、後ほどレシピで詳しく解説しますが、あずきを「煎る」工程にあります。

あずきをフライパンで乾煎りすると、「メイラード反応」という化学反応が起こります。

これは、トーストを焼くと香ばしくなったり、コーヒー豆を焙煎すると豊かな香りが生まれたりするのと同じ原理。

このひと手間が、あずき本来の甘みと香りを最大限に引き出し、毎日でも飲みたくなる、飽きのこない美味しさを生み出すんです。

薬剤師に聞きたい!あずき茶とむくみにまつわるQ&A

さて、ここからは薬剤師の私に、よく寄せられる質問にお答えしていきます。

毎日飲むものだからこそ、正しい知識で安心して楽しみたいですよね。

一日どのくらい飲んでいい?最適な飲むタイミングは?

まずは1日500ml(マグカップ2〜3杯)を目安に、ご自身の体調に合わせて調整してみてください。

あずき茶は食品なので、厳密な決まりはありません。

ただ、カリウムが豊富なので、一度に大量に飲むよりも、1日数回に分けてこまめに飲むのがおすすめです。

飲むタイミングとして特におすすめなのは、

  • 活動量の多い日中:汗で失われがちなミネラルの補給に。
  • 夕方にかけて:むくみが気になり始める時間帯に、先回りしてケア。
  • お風呂上がり:水分補給と共に、リラックスタイムに。

ノンカフェインなので、夜寝る前に飲んでも睡眠を妨げる心配がないのも嬉しいポイントですね。

ただし「魔法の薬」ではありません。

ここで、薬剤師として最もお伝えしたい大切なことがあります。

あずき茶は、あくまで健康的な食生活をサポートする「食品」であり、病気を治療する「魔法の薬」ではありません

もし、むくみが何日も続いたり、顔や手など全身に広がったり、息苦しさや体重の急激な増加を伴ったりする場合は、心臓や腎臓、肝臓などの病気が隠れている可能性があります。

そのような場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、必ず医療機関を受診してください。

薬との飲み合わせで気をつけることは?

はい、一部のお薬を服用中の方は注意が必要です。

あずき茶はカリウムを多く含むため、血圧のお薬や利尿薬(尿を出す薬)の一部で、体内のカリウム濃度を上げる作用を持つものと一緒に摂ると、血中のカリウム濃度が過剰になる「高カリウム血症」を引き起こす可能性があります。

【特に注意が必要なお薬の例】

血圧に関係する薬が多いです

  • カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレンなど)
  • ACE阻害薬(語尾に「〜プリル」とつくことが多い)
  • ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)(語尾に「〜サルタン」とつくことが多い)

これらの薬を服用中の方は、あずき茶を始める前に、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。

自己判断は絶対に禁物です。

妊娠中や授乳中に飲んでも平気?

基本的にはノンカフェインで栄養豊富なため問題ありませんが、念のため主治医に相談するとより安心です。

あずきは古くから食べられてきた安全性の高い食品です。

ノンカフェインで、妊娠中に必要な葉酸や鉄分も含まれているため、適量を飲む分には良い水分補給になります

ただし、どんな食品でもアレルギーの可能性はゼロではありませんし、妊娠中は体がデリケートな時期。

特に妊娠高血圧症候群などで食事指導を受けている方は、カリウムの摂取について注意が必要な場合もあります。

安心して楽しむためにも、一度かかりつけの先生に「あずき茶を飲んでもいいですか?」と確認しておくと万全ですね。

「豆の煮汁」なんてイメージはもう古い!まるで上質なほうじ茶のようなんです

「体に良いのはわかったから、早く作り方を教えて!」という声が聞こえてきそうですね(笑)。

お待たせしました!

ここからは、驚くほど簡単で、拍子抜けするほど美味しい、自家製あずき茶の作り方をご紹介します。

美味しく作るための、たった一つの重要なコツをこっそり伝授

自家製あずき茶を最高に美味しくするための秘訣。それは、たった一つ。

「煮出す前に、あずきを香ばしく“煎る”こと」

これだけです!このひと手間をかけるかかけないかで、味も香りも雲泥の差。豆のえぐみが消え、豊かな香ばしさが生まれ、まるでお店のほうじ茶のような上品な味わいに仕上がります。

信じてください、この5分があなたのあずき茶ライフを決めます!

拍子抜けするほど簡単!自家製あずき茶の基本レシピ

それでは、実際に作っていきましょう!本当に簡単なので、ぜひ気軽に試してみてくださいね。

準備するのは「あずき」と「お水」だけ!

  • 乾燥あずき:大さじ4杯(約50g)
  • 水:1リットル

たったこれだけ!

あずきは、スーパーの豆売り場で手に入る普通の乾燥あずきでOKです。

【ステップ1】あずきをサッと洗う

まず、あずきをザルに入れ、表面の汚れを落とすようにサッと水で洗います。

お米を研ぐようにゴシゴシ洗う必要はありません。優しく、で大丈夫ですよ。

【ステップ2】フライパンで5分!香ばしく煎るのが最重要ポイント!

ここが最重要ポイントです!

水気を切ったあずきを、油をひかずにフライパンに入れます。

中火にかけ、木べらなどで混ぜながら、焦がさないように5分ほど乾煎りしていきます。

だんだんと「パチッ、パチッ」と皮がはぜる音がしてきて、あずき独特の甘く香ばしい香りがキッチンに立ち込めてきます。

この香りがしてきたら、「美味しくなーれ」のサイン!

いくつかの豆の皮が少し裂けて、中が白っぽく見えてきたら煎り完了です。

【ステップ3】コトコト煮出して、美しいルビー色のお茶が完成

香ばしく煎ったあずきを、お水と一緒にお鍋に入れます。

最初は強火にかけ、沸騰したら弱火にして、蓋を少しずらしてコトコトと15分〜20分煮出します。

時間が経つにつれて、お鍋の中のお湯が、透き通った美しいルビー色に変わっていきます。

この色の正体こそ、あずきの皮から溶け出したポリフェノールやサポニン。

見ているだけで、なんだか体に良いことが起きそうな気がしてワクワクしてきませんか?

時間が経ったら火を止め、ザルや茶こしであずきを濾せば、絶品あずき茶の完成です!

煮出した後のあずきは、栄養満点!

捨ててしまうのはもったいないので、ご飯と一緒に炊いてお赤飯風にしたり、少しお砂糖を加えて煮て自家製あんこにしたり、サラダのトッピングにしたりと、ぜひ活用してくださいね。

自家製はちょっと面倒…。

そんなあなたへ、ペットボトルでも売っています!

他のお茶じゃダメなの?違いがよくわからない!

「あずき茶もいいけど、コーン茶や黒豆茶もスッキリするって聞くし…一体どれがいいの?」

わかります!健康茶ってたくさん種類があって、迷ってしまいますよね。

それぞれに素晴らしい個性と良さがあります。

ここでは、あなたの今の気分や目的にピッタリのお茶を見つけるお手伝いをさせてください。

「スッキリ感」で選ぶなら?「リラックス」したいなら?目的別お茶選びマップ

まずは簡単なチャートで、今のあなたに合いそうなお茶を探してみましょう!

スタート!

Q1. カフェインは欲しい?

  • YES緑茶、紅茶、ウーロン茶などへ
  • NOQ2へ

Q2. とにかく夏の重だるさをスッキリさせたい?

  • YESQ3へ
  • NOQ4へ

Q3. 香ばしい香りが好き?

  • YES → あずき茶、黒豆茶、コーン茶 がおすすめ!
  • NO → はとむぎ茶 など、少しさっぱりしたタイプも◎

Q4. 美容やリラックスが一番の目的?

  • YES → ルイボスティー、カモミールティー などがおすすめ!

結局どれがいいの?夏の定番茶「コーン茶」「黒豆茶」などと徹底比較

目的別のおすすめがわかったところで、特に夏のむくみ対策としてよく名前が挙がる「あずき茶」「コーン茶」「黒豆茶」を中心に、人気のノンカフェイン茶を徹底比較してみましょう!

スクロールできます
項目あずき茶コーン茶黒豆茶はとむぎ茶ルイボスティー
主役の栄養素カリウム
サポニン
ポリフェノール
カリウム
食物繊維
鉄分
アントシアニン(ポリフェノールの一種)
イソフラボン
ヨクイニン
アミノ酸
SOD様酵素
ミネラル
得意なこと水分バランス調整
巡りサポート
体を温めながらスッキリ
便通サポート
エイジングケア
女性バランスのサポート
肌のコンディションを整えるリラックス
エイジングケア
味・香り上品なほうじ茶のような香ばしさ
ほのかな甘み
とうもろこしの甘くポップな香り
優しい甘み
きな粉のような深いコクと香ばしさ麦茶に似たさっぱりとした風味独特の甘みとすっきりした後味
カフェインなしなしなしなしなし
こんな時に夕方のパンパンが気になる時に冷房で冷えやすいけどスッキリしたい時に美容と健康を両立させたい時に肌の調子が気になる時に夜、心からリラックスしたい時に

カフェインはある?ない?目的別・お悩み別のおすすめはコレ!

この表を見てわかる通り、今回ご紹介したお茶はすべてノンカフェインです。

時間帯を気にせず飲めるのが、健康茶の大きなメリットですね。

とにかく「むくみ」を何とかしたい! → カリウム含有量トップクラスの「あずき茶」

冷えも気になる… → 体を温める性質があると言われる「コーン茶」

美容も気になる!エイジングケアも! → アントシアニン豊富な「黒豆茶」

肌荒れやイボが気になる… → “飲む美容液”とも言われる「はとむぎ茶」

どれか一つに絞る必要はありません。

その日の体調や気分に合わせて、「今日はあずき茶、明日は黒豆茶」というように、ローテーションで楽しむのも、飽きずに続けられる秘訣ですよ。

おわりに:今年の夏は「あずき茶」で、内側から軽やかな私、はじめませんか?

長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。

夏のむくみという、多くの人が諦めかけていた悩み。

それに対して、私たちの身近にある「あずき」が、こんなにも優しく、そして力強く応えてくれるなんて、なんだか嬉しくなりますよね。

あずき茶は、薬のように即効性があるわけではありません。

でも、毎日美味しく飲み続けることで、あなたの体はきっと、内側からゆっくりと、でも確実に変わっていきます。

夕方の重だるさから解放され、軽やかに一日を終えられる喜び。

それは、何気ない日常を、もっと豊かで輝くものにしてくれるはずです。

今年の夏は、ぜひ自家製の香ばしいあずき茶を片手に、「飲むセルフケア」を始めてみませんか?

あなたの夏が、もっと軽やかで、もっと笑顔あふれるものになることを、薬剤師として心から願っています。

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